野村 胡堂
銭形平次捕物控
一
「親分、良い天氣ですぜ。チラホラ梅は咲いてゐるし、お小遣はフンダンにあるし――」
「嘘をつきやがれ。梅の咲いたのは俺だつて知つてゐるが、八五郎の財布にお小遣がフンダンにあるわけはないぢやないか」
錢形平次と子分の八五郎は相變らずの調子で始めました。
野村 胡堂
一
「親分、良い天氣ですぜ。チラホラ梅は咲いてゐるし、お小遣はフンダンにあるし――」
「嘘をつきやがれ。梅の咲いたのは俺だつて知つてゐるが、八五郎の財布にお小遣がフンダンにあるわけはないぢやないか」
錢形平次と子分の八五郎は相變らずの調子で始めました。