野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「親分、良い新造が來たでせう。かう小股のきれ上がつた、色白で、ポチヤポチヤした」

「馬鹿野郎」

錢形平次は思はず一喝を食はせました。上がり框から這ひ込むやうに、まだ朝の膳も片付かない茶の間を覗きながら八五郎は途方もないことを訊くのです。

青空文庫の作品カード