野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「あ、八五郎親分ぢやありませんか」

江の島へ行つた歸り、遲くもないのに、土藏相模で一と晩遊んだ町内の若い者が五六人、スツカラカンになつて、高輪の大木戸を越すと、いきなり聲を掛けたものがあります。

「誰だい、俺を呼んだのは」

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