小川 未明

北風にたこは上がる

隣家の秀夫くんのお父さんは、お役所の休み日に、外へ出て子供たちといっしょにたこを上げて、愉快そうだったのです。

「おじさんのたこ、一番だこになれる?」と、北風に吹かれながら、あくまで青く晴れわたった空を見上げて、賢二がいいました。

「なれるさ。」と、おじさんは、いったが、そばから秀夫くんが、

「お父さん、もっと糸を買ってこなければ、だめですよ。」と、いっていました。そのうちに、たこはぐるぐるとまわりはじめました。

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