北大路 魯山人
陶芸家を志す者のために
私に陶器に関する講演をせよとのご依頼を受けましたが、何をどう申し上げてよいか困っております。
この学校ではどんなご希望をもっておられるか、何を期待しておられるか、日本と米国の習俗が全く相違していますので、どういうことを語るべきか、実は当惑しているところです。
殊に私の作っています陶器は、日本に於ても唯一人独得の行き方をしており、作柄も類例のないような変り方でありますので、日本に在ってさえ後輩に伝える言葉に窮しておる始末ですから、国情を異にする当米国では私の申し上げる意味がうまく通じますか、それを案じております。
と言うのは、私の作ります陶器は殆ど機械を無視して、心の芸として、心の美だけを頼りにし、常に美術眼から見た自然美を親とし、師と仰ぎ、それによって学び、美術価値を至上主義としての陶器を作り出さんとしているからであります。