ベルトラン ルイ
錬金道士
吾徒の術を修する法二あり。一は師に就いて口より口へ授かり、はたまた悟徹と示現とによつて過を知らんとす。また一の法は斯道の書を讀むにあれど、其文難解にして頗る晦澁なれば、人もしここに理と眞とを求めんとすれば、其心まづ精緻にして根氣よく勤勉にして且つ細心ならざる可からず。
ピエロ・※(濁点付き片仮名ヰ、1-7-83)コ「哲學奧義解」
まだいかぬ――而もわが身は三日三晩のその間、燈火の薄暗い光のもとにライムンド・ルルリの祕法書を繙いてゐた。
どうもいかぬ、唯ちらちらする蘭引の滾る音につれて、火蛇の精の嘲笑が聞えるばかり。彼はわが冥想を亂さうとして戯弄するのか。