フリーマン リチャード・オースティン

「ソーンダイク博士」序文

私はこの作品集のなかの作品を、「倒叙小説」と「直接小説」の二つに分けたが、この分類のしかたについては、一口いっとかなければならない。

もともと、推理小説というものは、興味の中心が知的であるという点で、ほかのいっさいの小説とちがうのである。むろん、推理小説のなかにも、感情だとか、劇的な行動だとか、ユーモアだとか、哀感だとか、恋愛だとかの要素はふくまれているだろうが、推理小説ではそんなものはアクセサリー的存在にすぎないので、よしんば、そんなものをかなぐりすてたとしても、本質的興味は、すこしも損われないのである。

では、推理小説で必要欠くべからざるものは、いったいなんであるかといえば、それは謎とその解決であって、それが賢明な読者に、知的体操とでもいうべき快感を味わわせるのである。

だが、その快感を味わわせるためには、推理小説はつぎの三つの条件をそなえていなければならぬ。

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