フリーマン リチャード・オースティン

歌う白骨

犯罪編

おとなの論理的な頭では、とうてい分らないような人間のかくれた性格、そんなかくれたものを、おさなごや下等動物がわけもなく見破るという迷信は、かなり広くゆきわたっているようだ。そして彼らの判断を、経験を超越したすぐれたものとして、受けいれてしまうのである。

こんな迷信は人々がパラドクスを愛するところからくるのかどうか、そんな問題は問う必要がなかろう。これは社会一般の信念になっていて、ことにある階級の婦人たちに支持されているようだ。そして、トマス・ソリー夫人もそれをかたく信ずる婦人の一人なのである。

「ほんとなのよ、」と、かの女はいう。「小さい子供や、ものもいえぬ動物がよく知っていることは、じっさいびっくりするほどなの。だから子供や動物をだまそうたってだめなの。純金とにせの金を一目で見わけたり、人の心をすぐ見抜いたりするんだから、ほんとにふしぎなのよ。あんなのを本能というんでしょうか。」

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