小山内 薫

芝、麻布

『あばよ、芝よ、金杉よ。』

子供の頃、一緒に遊んでいた町の子達と別れる時、よく私達は歌のように節をつけて、こういった。

私は麹町の富士見町で育った。芝といえば――金杉といえば――大変遠いところのような気がした。

『あばよ、芝よ、金杉よ。』

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