野村 胡堂
銭形平次捕物控
一
「親分、小便組といふのを御存じですかえ」
八五郎は長んがい顎を撫でながら、錢形平次のところへノソリとやつて來ました。
いや、ノソリとやつて來て、火のない長火鉢の前に御輿を据ゑると、襟元から懷手を出して、例の長いのを撫で廻しながら、こんな途方もないことを言ふのです。
野村 胡堂
一
「親分、小便組といふのを御存じですかえ」
八五郎は長んがい顎を撫でながら、錢形平次のところへノソリとやつて來ました。
いや、ノソリとやつて來て、火のない長火鉢の前に御輿を据ゑると、襟元から懷手を出して、例の長いのを撫で廻しながら、こんな途方もないことを言ふのです。