野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「又出ましたよ、親分」

八五郎は飛び込んで來るのです。

一月も末、美しく晴れた朝でした。平次はケチな盆栽の梅をいつくしみながら、自分の影法師と話すやうに、のんびりと朝の支度を待つて居たのです。

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