江見 水蔭

探検実記 地中の秘密

――  ひ?[#「  ひ?」はママ]――燒土層を成す――土器製造所か――土器の葢――貝塚曲玉の[#「貝塚曲玉の」は底本では「貝 曲玉の」]一種――

馬籠の貝塚と根方[#ルビの「ねがた」は底本では「ねかた」]の貝塚とは、池上街道を挾んで兩方に有る。併し、 概[#「 概」はママ]我々はそれを馬籠の名の下に一括して居る。別に理由は無いが、最初は根方の貝塚をも、馬籠だと信じて居たからで。地名表には根方を目方としてある爲に、他を探して居て、根方を過ぎながら、それとは知らなかつたのだ。

余の最初に此地を探檢したのは、三十五年の十二月二十六日であつた。それから殆ど毎週一度は、表面採集に通つて居た。茶店の老人夫婦とは懇意に成つて『旦那又石拾ひですか。然う始終見えては、既う有りますまい』と笑はれる位にまでなつた。

打石斧、磨石斧、石鏃、把手、破片、土瓶の口、そんな物は、どの位ゐ數多く採集したか知れぬが、未だ發掘をして見た事が無いので、茶店の息子を介して、地主の政右衞門といふ人を説き、其人の持地を發掘する事と成つた。

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