佐々木 邦
恩師
私が入学した頃の卒業生はビリコケでも羽が生えて飛んだ。多少成績が好いと引っ張り凧の形だった。首席で出た従兄の如きは口があり過ぎて選択に迷った。
「兎に角面会丈けはしてやらないと推薦者の感情を害するからね」
と言った調子で、頼むよりは断るのに骨を折ったものである。
然るにその翌年からソロ/\売れ口が悪くなった。続いて年々余るという噂を耳にしたが、此方の卒業までには未だ間があるから、川向うの火事ぐらいに考えていた。
佐々木 邦
私が入学した頃の卒業生はビリコケでも羽が生えて飛んだ。多少成績が好いと引っ張り凧の形だった。首席で出た従兄の如きは口があり過ぎて選択に迷った。
「兎に角面会丈けはしてやらないと推薦者の感情を害するからね」
と言った調子で、頼むよりは断るのに骨を折ったものである。
然るにその翌年からソロ/\売れ口が悪くなった。続いて年々余るという噂を耳にしたが、此方の卒業までには未だ間があるから、川向うの火事ぐらいに考えていた。