久保田 万太郎
角力
一
……だまつて、一人で、せッせと原稿を書いてゐた石谷さんが急に立ち上り、
「一寸、ぢやァ、行つて来ます。」
万年筆をいそがしく内かくしへしまひながらいつた。
青空文庫の作品カード