吉川 英治

剣の四君子

一

熟れた柿が落ちている。何のことから始まったのか、柿の木の下で、兄弟は取っ組み合っていた。

小さい謙三郎は、手もなく、兄の紀一郎に投げつけられて、強かに背を大地へ打ちつけた。

「よくも投げたな」

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