吉川 英治梅里先生行状記恋すちょう……一二月の風は水洟をそそる。この地方はまだ春も浅い。ひろい畑は吹きさらしている。昼まになっても、日かげの霜ばしらは、棘々とたったままだし、遠山のひだには、まだある雪が薙刀のように光っていた。青空文庫の作品カード