吉川 英治

平の将門

御子と女奴

原始のすがたから、徐々に、人間のすむ大地へ。

坂東平野は、いま、大きく、移りかけていた。

――ために、太古からの自然も、ようやく、あちこち、痍だらけになり、まぬがれぬ脱皮を、苦悶するように、この大平原を遠く繞る、富士も浅間も那須ヶ岳も、硫黄色の煙を常に噴いていた。

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