野村 胡堂
奇談クラブ〔戦後版〕
プロローグ
それは四回目の奇談クラブの席上でした。
その日の話し手桜井作楽は、近頃では珍らしい和服姿――しかも十徳を着て頤※(「髟/(冂<はみ出た横棒二本)」、第4水準2-93-20)を生やした、異様な風体で、いとも悠揚と演壇に起ったのです。
真珠色の光の中に、二十四人の会員と、その半数ほどの臨時会員は、美しき会長吉井明子夫人を中心に、期待に張り切って、この一風変った話し手を見詰めて居ります。
野村 胡堂
プロローグ
それは四回目の奇談クラブの席上でした。
その日の話し手桜井作楽は、近頃では珍らしい和服姿――しかも十徳を着て頤※(「髟/(冂<はみ出た横棒二本)」、第4水準2-93-20)を生やした、異様な風体で、いとも悠揚と演壇に起ったのです。
真珠色の光の中に、二十四人の会員と、その半数ほどの臨時会員は、美しき会長吉井明子夫人を中心に、期待に張り切って、この一風変った話し手を見詰めて居ります。