野村 胡堂

礫心中

橋の袂に美女の裸身

しはんほになすはかはすなにほんはし

「吝嗇漢に茄子は買は(わ)すな日本橋――か、ハッハッハッハ、こいつは面白い、逆さに読んでも同じだ、落首もこれ位になると点に入るよ」

「穿ってるぜ、畜生め、まったく御改革の今日びじゃ、五十五貫の初鰹どころか、一口一分の初茄子せえ、江戸ッ子の口にゃ入えらねえ、何んのことはねえ、八百八町、吝嗇漢のお揃いとけつからア、オロシヤの珍毛唐が風の便りに聞いて笑って居るとよ、ヘッヘッヘッヘッ」

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