野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

その日、三河屋に集まった客は四人、将棋にも碁にも飽きて、夕刻からは埒もない雑談に花が咲きました。

「内証事は隠しおおせるものじゃない。不思議なことに、他から漏れずに、本人の口から知れるものさ」

そう言ったのは隣の乾物屋、伊勢屋玉吉という四十男でした。

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