野村 胡堂
銭形平次捕物控
一
「親分、良庵さんが来ましたぜ」
「ヘエ――、朝から変った人が来るものだね、丁寧に通すがいい」
銭形の平次は居ずまいを直して、客を迎えました。服部良庵という町内の本道(内科医)、頭を円めた五十年輩、黄八丈に縮緬の羽織といった、型のごとき風体です。
野村 胡堂
一
「親分、良庵さんが来ましたぜ」
「ヘエ――、朝から変った人が来るものだね、丁寧に通すがいい」
銭形の平次は居ずまいを直して、客を迎えました。服部良庵という町内の本道(内科医)、頭を円めた五十年輩、黄八丈に縮緬の羽織といった、型のごとき風体です。