新美 南吉

草

八月八日のおひるすぎ、おとなたちがござをしいて昼寝をしているじぶん、心平君たちは、いつものように、土橋のところへあつまりました。それから、山の大池に向かって、しゅっぱつしました。

六年生の兵太郎君がせんとうで、ほかの者は、そのあとに二列にならび、げんきよく、「世紀の若人」の歌をうたってゆきました。

みかん畠の下までくると、みんな歌をやめました。

「敵のようすをさぐってこい。」

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