野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「八、目黒の兼吉親分が来ていなさるそうだ。ちょいと挨拶をして来るから、これで勘定を払っておいてくれ」

銭形の平次は、子分の八五郎に紙入を預けて、そのまま向うの離屋へ行ってしまいました。

目黒の栗飯屋、時分どきで、不動様詣りの客が相当立て込んでおります。

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