野村 胡堂
銭形平次捕物控
一
「親分、お願いがあるんですが――」
お品はこう切り出します。石原の利助の一人娘、二十四五の年増盛りを、「娘御用聞」と言われるのはわけのあることでしょう。
「お品さんが私に頼み――ヘエ――それは珍しいネ、腕ずくや金ずくじゃ話に乗れないが、膝小僧の代りにはなるだろう。一体どんな事が持上がったんだ」
野村 胡堂
一
「親分、お願いがあるんですが――」
お品はこう切り出します。石原の利助の一人娘、二十四五の年増盛りを、「娘御用聞」と言われるのはわけのあることでしょう。
「お品さんが私に頼み――ヘエ――それは珍しいネ、腕ずくや金ずくじゃ話に乗れないが、膝小僧の代りにはなるだろう。一体どんな事が持上がったんだ」