シートン アーネスト・トンプソン

動物物語 狼の王ロボ

これはアメリカのアーネスト・トムソン・シートンという人が書いた物語で、文中『私』とあるのはシートン氏のことです。シートン氏は幼いころから動物が大好きで、動物に関する物語と絵をかくことを一生懸命勉強しました。そしていつも山岳や草原に露営の生活をして、野生動物を深く観察し、りっぱな動物物語をたくさんあらわしました。この『狼の王ロボ』は、その中でも傑作といわれる面白いものです。

おおかみ狩りの勧誘状

「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」

このうわさは、土地の新聞から全メキシコへひろまった。カランポーというのは、北部メキシコを流れている川の名だ。その川の流域には、広々とした草原が開け、それが大きな牧場になっていた。ところがこの谷に一群のおおかみがすんでいて、しきりに家畜をあらす。そのおおかみの群れの王と見られるのは、土地の人々からロボと呼ばれる、まことに悪がしこく獰猛なやつであった。

青空文庫の作品カード