江戸川 乱歩
黄金豹
東京都内に、『まぼろしの豹』があらわれるという、うわさがひろがっていました。
ある月の美しい晩、ひとりの中学生が、お友だちのうちからの帰り道に、大きな西洋館の前にさしかかりました。
さびしい町ですから、まだ九時ごろなのに、まったく人通りがありません。空には、満月にちかい月が、こうこうとかがやいています。ひくいコンクリートの塀をへだてて、西洋館の屋根が、月の光をうけて、まっ白に光っているのが見えます。
その屋根の上を、一ぴきの大きなネコが、のそのそと歩いていました。
江戸川 乱歩
東京都内に、『まぼろしの豹』があらわれるという、うわさがひろがっていました。
ある月の美しい晩、ひとりの中学生が、お友だちのうちからの帰り道に、大きな西洋館の前にさしかかりました。
さびしい町ですから、まだ九時ごろなのに、まったく人通りがありません。空には、満月にちかい月が、こうこうとかがやいています。ひくいコンクリートの塀をへだてて、西洋館の屋根が、月の光をうけて、まっ白に光っているのが見えます。
その屋根の上を、一ぴきの大きなネコが、のそのそと歩いていました。