江戸川 乱歩
夜光人間
名探偵明智小五郎の少年助手、小林芳雄君を団長とする少年探偵団は、小学校の五、六年生から中学の一、二年生までの少年二十人ほどで組織されていました。みんなが近くに住んでいるわけではなく、学校もちがっている少年がおおいので、この二十人が、いつでも集まるわけではありません。ときによって、事件にかんけいする少年たちの、顔ぶれがちがうのです。
みんな学生ですから、学校のある時間には、探偵のはたらきはできません。また、おうちで勉強もしなければなりません。ですから、日曜日のほかは、すこしの時間しか、はたらけないのです。
ことに、夜そとへ出て冒険をすることは、おとうさんやおかあさんがおゆるしにならないうちがおおいので、小林団長は、団員たちを夜あつめることは、できるだけしないようにしていました。おゆるしがでた少年たちだけを、七時か八時ごろまで集めることにして、それいじょう夜ふかしをしないように、こころがけていました。
でも、事件は、夜おこることがおおいので、夜ふけにはたらかなければならないときには、少年探偵団ではなくて、チンピラ別働隊をつかうことにしていました。チンピラ隊は、『アリの町』で、くずひろいをやっている少年たちで、夜の冒険なんか、へいきですから、つごうがいいのです。