野村 胡堂

古城の真昼

一

「ああ退屈だ。こう世間が無事ではやり切れないなア」

文学士碧海賛平は、鼻眼鏡をゆすり上げながら、女の子のように気取った欠伸をいたしました。

「全くだ、何んか斯う驚天動地の面白い事件が無いものかネ」

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