吉川 英治

新書太閤記

偽和

越前はもう積雪の国だった。

雪となり出すと、明けても雪霏々、暮れても雪霏々、心を放つ窓もない。

が、北ノ庄の城廓は、この冬、いつもの年よりは、何か、あたたかいものがあった。

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