吉川 英治

新書太閤記

初花

一年。――実にわずか一年の間でしかない。

去年天正十年の初夏から、ことし十一年の夏までの間に、秀吉の位置は、秀吉自身すら、内心、驚目したであろう程な飛躍を遂げた。

明智を討ち、柴田を斃した。

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