高群 逸枝
女性史研究の立場から
学問の自由1
日本歴史の新しい検討ということがもとめられている。女性史の一研究者として、私はこの際若干の感想をのべてみたい。わが国の歴史研究が狭く浅く、政治史にかたよっている点は、すでに多くの人からいわれてきたとおりであるが、敗戦を機会にそれらのことはむろん反省せられねばならない。
根本の問題は学問の自由、真理の探求であるが、学者がつねに政治的制圧をうけることはまぬがれえない。
私の経験からいえば、女性史なども、なにか社会や男性に反抗する危険思想ででもあるかのように思われがちで、ずいぶん不愉快な圧迫や俗見とも戦わねばならなかった。