伊藤 野枝
編輯室より
□先月号は風俗壊乱と云ふ名の下に発売を禁止されました。忌諱にふれたのは原田さんのらしいのです、他には何にもそんなのはありませんから。私は少しもそんなことを考へずに、可なりさうした考へが誰の頭にも浮ぶことを思つて立派な一つの問題を提供するものとしてのせました。けれども私は不注意な編輯者としてしかられました。けれども私は可なりあの堕胎とか避妊と云ふことについて男の人たちの意見は聞きました、けれども女の意見は聞きませんから知りたいと思つたのです、今でもその考へはあります。□それで、私は早くからかういふことについても考へてゐたのです、此雑誌に出る作品は大抵何かしら問題をもつたものが一つや二つありますので、それを考へる方はまじめに考へられませうけれど気づかずに過すことが可なりあると思ひますので毎月前月号に出たものゝなかから、その出た月に、どれを問題にすると云ふことを極めておいて皆でいろんな方面から研究してこの次のか次の次のかで発表することにしたらと思ひます。それはたゞ一人々々でずん/\よんでおもしろかつたと云ふ丈けよりも更にもつといゝ何かしらを得ることになると思ひます、それで前号にも申ましたやうに八月は一月やすみまして九月の紀念号からしつかりしたものを出したいと思ひます。丁度いゝ機会ですから九月から初めやうと思ひます、それで九月号には堕胎避妊についてのお考へを成べく多数の方から伺ひたう御座います、これも前月に申ました日記や感想とおなじに、たゞもうお考へになつたことをそのまゝお書き下さればいゝのでしてどんなに永くても短かくてもかまひません、何卒読者諸姉のまじめなお考へを伺ひたいと思ひます。