伊藤 野枝
編輯室より
□此度こそは少しどうにかと思ひ/\次号へ次号へと逐はれて一向思つた半分も出来ません。出来もしないことを発表したつて馬鹿気てゐますから黙つてゐます。併しそのうちにもつとしつかりしたものを書きたいと思つてゐます。□今月号に私はゾラの『生の悦び』を読んだその感想をかなり長く書く気でゐましたけれど急にまとまりませんのであんなもので間に合はせました。此度は――三月号には発表しやうと思つてゐます。□私が巻頭の感想を書きましたときにはまだ安田さんの原稿を見ないときでした。そして私は安田さんから、また郁ちやんからいろ/\な話を伺ひ、そしてまたあの安田さんの原稿をよんで私はつまらないことを書いたと思ひました。私は生田さんがお気の毒でたまらなくなりました。けれどもその為めにあの原稿を引つ込めると云ふこともあんまり生田さんを馬鹿にするやうで悪いからそれは止めましたけれども私は生田さんがどうぞあの感想を平静な心でおよみ下さることを望みます。□生田さんは青鞜に対抗するやうな雑誌を近いうちにお初めになるさうです。もつと青鞜よりも実際的なそして青鞜のやうに高慢でなく売れないのでないずつといゝ雑誌をお出しになるさうです。実世間により多く触れて多大の経験をお持ちになつた氏の立派な技倆をはやく見たいものだと思ひます。はやく実現されんことを希つてゐます。□生田さんはあの問題をもつて大分方々を歩いてゐらつしやるやうですがどう云ふつもりなのかしらと首をかたむけてゐる人があります。誰も皆生田さんに同情することは事実ですがその為めに生田さんのあの論文が価値づけられると云ふことはなささうです。私はさう云ふ生田さんの惑乱した姿