伊藤 野枝

編輯室より

□毎号々々意に満たないものばかり皆様にお目に懸けなければならないのを本当に残念に思ひます。先月号はあんなに後れてしまひますし、今月はまた、私のからだが重くて少しも思ふやうに動きませんので毎日々々怠けてゐましたので思ふ程の原稿も書けずにこんなうすいものが出来ました。けれども頁の少いことが直ちに価値の如何にかゝはることにはならないと自分ながら苦しい云ひ訳をしてゐます。来月は少し実のある長いものを書く気でゐます。平塚さんにも野上さん、哥津ちやんにも書いて頂かうと思つてゐます。□何時からも何時からも気がついてゐまして一人で私はもがいてゐます苦しくてたまらないのです。このやうな単調な雑誌が出来上るを見る度びに――。私は今年の八月号をやすんで九月の紀念号からすこし変つたものにしたい、もつとひきしまつた、むだのないものにしたいと思つてゐます。種々の計画もひとりひそかにたてゝゐます。そしてそれには私一人の努力でなく皆様の努力にまたなければならないのは云ふまでも御座いません。□一つの些細な事、どんなつまらない原稿でも興味をもつて考へられないことはないと思ひます。どんな単調な生活をしてゐる人でも毎日の生活のきまつた事柄の外に何かしら違つたことを聞き、違つたものを見るにちがひはありません。思索と云ふことは何も重大なことばかりを考へるのではないのです。自分の事ばかりを考へるのでもありません。どんな些細なことでもどんな汚いものゝ上にも少しの相違もありません。私は本誌の読者諸姉がどのやうな日常生活を送りどんな思索を続けてゐられるかを知りたいために、――また私ばかりでなくすべて世間の人々の前に若き現代の婦人

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