江戸川 乱歩
黒手組
(上)顕れたる事実
またしても明智小五郎の手柄話です。
それは、私が明智と知合になってから一年程たった時分の出来事なのですが、事件に一種劇的な色彩があって中々面白かったばかりでなく、それが私の身内のものの家庭を中心にして行われたという点で、私には一層忘れ難いのです。
この事件で、私は、明智に暗号解読のすばらしい才能のあることを発見しました。読者諸君の興味の為に、彼の解いた暗号文というのを先ず冒頭に掲げて置きましょうか。
江戸川 乱歩
(上)顕れたる事実
またしても明智小五郎の手柄話です。
それは、私が明智と知合になってから一年程たった時分の出来事なのですが、事件に一種劇的な色彩があって中々面白かったばかりでなく、それが私の身内のものの家庭を中心にして行われたという点で、私には一層忘れ難いのです。
この事件で、私は、明智に暗号解読のすばらしい才能のあることを発見しました。読者諸君の興味の為に、彼の解いた暗号文というのを先ず冒頭に掲げて置きましょうか。