江戸川 乱歩

透明怪人

そのふたりの少年は、あんなこわいめにあったのは、生まれてからはじめてでした。

春のはじめの、ある日曜日、小学校六年の島田君と木下君は、学校の先生のおうちへあそびにいって、いろいろおもしろいお話を聞き、夕方になって、やっと先生のうちを出ました。そのかえり道の出来事です。

「おや、へんだね、こんな町、ぼく一度も通ったことがないよ。」

島田君がふしぎそうに、あたりを見まわして、言いました。

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