野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「親分、良い陽気ですね」

フラリとやって来た八五郎は、襟の汗を拭いて、お先煙草を五六服、お茶をガブ呑みの、継穂もないお世辞を言うのでした。

「二三日見えなかったが、どこへ行って居たんだ」

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