安西 冬衛

大阪の朝

川に張り出した道頓堀の盛り場は、仇女の寝くたれ姿のように、たくましい家裏をまざまざと水鏡に照し出している。

太左衛門橋の袂。

舟料理の葭すだれは、まき上げられたままゆうべの歓楽の名残をとどめている。

宗右衛門町の脂粉の色を溶かしたのであろうか、水の上に臙脂を流す美しい朝焼けの空。

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