大下 宇陀児
乱歩分析
畏友江戸川乱歩は、還暦のお祝いをしてもらうことを、たいそう喜び楽しんで待っている。そのお祝いに、彼は、
「ぼくも一つ力作を書く。君も書いてくれ。」
と直接私にいった。
めったに書かない彼が、本気に書く気になっていることは、私を少し驚かせもしたし、よし、それならば私も書かねばなるまいぞ、という気持にならせもした。たしか、木々高太郎が、探偵作家クラブ会長を引受けてくれる、という意思表示をし、そのための打合せで、私たち三人が会った夜のことであったと思う。
大下 宇陀児
畏友江戸川乱歩は、還暦のお祝いをしてもらうことを、たいそう喜び楽しんで待っている。そのお祝いに、彼は、
「ぼくも一つ力作を書く。君も書いてくれ。」
と直接私にいった。
めったに書かない彼が、本気に書く気になっていることは、私を少し驚かせもしたし、よし、それならば私も書かねばなるまいぞ、という気持にならせもした。たしか、木々高太郎が、探偵作家クラブ会長を引受けてくれる、という意思表示をし、そのための打合せで、私たち三人が会った夜のことであったと思う。