江戸川 乱歩
殺人迷路
インパーフェクト・クライム
「で犯行の手掛は? 被害者の身許が分らないとすると、せめて、犯人の手口を示す、一寸した証拠でも残ってはいなかったかしら」
正岡警部が鎌倉署長の顔色を読むようにして尋ねた。というのは署長の困惑した表情の奥に、何だか妙なものが、一縷の希望みたいなものが感じられたからである。
「アア、その方の証拠なら、少しばかり蒐集してあるよ。第一にこれです」
江戸川 乱歩
インパーフェクト・クライム
「で犯行の手掛は? 被害者の身許が分らないとすると、せめて、犯人の手口を示す、一寸した証拠でも残ってはいなかったかしら」
正岡警部が鎌倉署長の顔色を読むようにして尋ねた。というのは署長の困惑した表情の奥に、何だか妙なものが、一縷の希望みたいなものが感じられたからである。
「アア、その方の証拠なら、少しばかり蒐集してあるよ。第一にこれです」