山本 周五郎

饒舌りすぎる

一

奉行職記録所の役部屋へ、小野十太夫がはいって来る。彼は汗になった稽古着のままで、ときには竹刀を持ったままのこともある。

「おい土田」と十太夫はどなる、「今日は帰りに一杯やろう、枡平へいこう、いいな」

それから四半刻もするとまたやって来る。やっぱり稽古着のままで、額に汗が光っている。

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