山本 周五郎

末っ子

一 彼に対する一族の評

祖父の(故)小出鈍翁は云った。

「平五か、そうさな、まあ悪くはあるまい、ばあさんが可愛がりすぎたから、少しあまったれのようだが、まあそう悪くはないだろう、すばしっこいところもあるし、いい養子のくちにでも当れば、案外あれで芽を出すかもしれない、そんなうまいくちはなかなかあるまいが、まあ、あれはあれでいいだろう」

祖母の(故)いち女は云った。

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