山本 周五郎
超過勤務
「だめ、だめ」と若い女が云った、「いやよ、そんなことするんならあたし帰るわ」
「ばかだなあ、なんでもないじゃないか」と青年が云った、「こうしたって、こうしたって平気なのに、どうしてそれだけいけないんだ」
「知らないふりしないで」と女が云った、「あたしまだ嫁入りまえなんですからね」
「古臭いよそんなこと、きみの躯はきみのもんじゃないか」と青年が云った、「握手をする手だってキスをする唇だってきみのもんだし、そこだって同じきみの躯じゃないか」
山本 周五郎
「だめ、だめ」と若い女が云った、「いやよ、そんなことするんならあたし帰るわ」
「ばかだなあ、なんでもないじゃないか」と青年が云った、「こうしたって、こうしたって平気なのに、どうしてそれだけいけないんだ」
「知らないふりしないで」と女が云った、「あたしまだ嫁入りまえなんですからね」
「古臭いよそんなこと、きみの躯はきみのもんじゃないか」と青年が云った、「握手をする手だってキスをする唇だってきみのもんだし、そこだって同じきみの躯じゃないか」