山本 周五郎
初蕾
一
「花はさかりまでという、知っているだろう」
「…………」
「美しいものは、美しいさかりを過ぎると忘れられてしまう、人間いつまで若くていられるものじゃない、おまえだってもう十八だろう、ふじむら小町などと云われるのも、もう半年か一年のことだ、惜しまれるうちに身の始末をするのが本当じゃあないか」
山本 周五郎
一
「花はさかりまでという、知っているだろう」
「…………」
「美しいものは、美しいさかりを過ぎると忘れられてしまう、人間いつまで若くていられるものじゃない、おまえだってもう十八だろう、ふじむら小町などと云われるのも、もう半年か一年のことだ、惜しまれるうちに身の始末をするのが本当じゃあないか」