山本 周五郎
本所霙河岸
一の一
「こう親爺、肴はもうこれっきりか、一人あたま五匁と張込んであるんだぜ、のこにぬたに鱈昆布はひどかろう」
「鱈昆布もいいが見ねえ、おいらのはまるっきり昆布昆布だ」
「や組の喜三兄哥が一世一代の奢りなんだ、一度あって二度とはねえ公方様の御参内ってえところだぜ、刺身ぐれえ気張ったらどうだ親爺」
山本 周五郎
一の一
「こう親爺、肴はもうこれっきりか、一人あたま五匁と張込んであるんだぜ、のこにぬたに鱈昆布はひどかろう」
「鱈昆布もいいが見ねえ、おいらのはまるっきり昆布昆布だ」
「や組の喜三兄哥が一世一代の奢りなんだ、一度あって二度とはねえ公方様の御参内ってえところだぜ、刺身ぐれえ気張ったらどうだ親爺」