山本 周五郎

藪落し

今でも藪落しへ近寄る者はない。

勘三郎がそれに熱中しはじめたのはいつごろのことか分っていない。ともかくお豊が嫁に来たときにはすでに勘三郎のやまさがしは誰知らぬ者なきありさまになっていた。

――おまえもだいたい察しているだろうが。

お豊が嫁して来て間もなく、ある夜勘三郎は彼女を前にして云った。

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