山本 周五郎

樅ノ木は残った

序の章

万治三年七月十八日。

幕府の老中から通知があって、伊達陸奥守の一族伊達兵部少輔、同じく宿老の大条兵庫、茂庭周防、片倉小十郎、原田甲斐。そして、伊達家の親族に当る立花飛騨守ら六人が、老中酒井雅楽頭の邸へ出頭した。

酒井邸には雅楽頭のほかに、同じく老中の阿部豊後守と稲葉美濃守が列坐していて、左のような申し渡しがあった。

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