山本 周五郎

日本婦道記

一

お石が鈴木家へひきとられたのは正保三年の霜月のことであった。江戸から父の手紙を持って、二人の家士が伴って来た、平之丞は十一歳だったが、初めて見たときはずいぶん色の黒いみっともない子だなと思った。

「お石どのは父上の古いご友人のお子です」

そのとき母はこう云って彼にひきあわせた、

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