大下 宇陀児

金魚は死んでいた

一

「おやおや、惜しいことしちまつたな」

思わず口から出たひとりごとだつたが、それを聞きとがめた井口警部が、ふりむいて、

「なんだい。何が惜しいことしたんだね」

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