石原 純
マイケル・ファラデイ
電気学の始まり
十九世紀の終りから今世紀にかけては、電気の世のなかと言われているほどに、電気の利用がさかんになって来ました。実際に皆さんが自分たちのまわりを見まわして見るならば、電気がどれほど多くつかわれているかがすぐにわかるでしょう。電灯やラジオを始めとして、電信、電話、電車から、たくさんの工場で使われている電力や、そのほかいろいろな種類の電気の利用をかぞえてゆくと、とても一々挙げきれないほどに多いのです。ですから今の人々の生活から電気の利用を取り除いてしまったなら、どんなに不便になるかわかりません。ところで、電気がこれほどさかんに使われるようになったというのも、つまり電気の学問がそれまでに非常に発達したおかげに外ならないのです。さてこの電気の学問がこのように発達するのには、それはもちろんたくさんの学者の苦心を経た研究がかさねられて来たのに依るのでありますが、なかでも最も多くそれに貢献したのは、ここにお話ししようとするファラデイと、それに続いてその仕事を完成したマクスウェルとの二人であることは、誰しも認めないわけにはゆかないのです。そういう事をよく考えてゆくと、今日電気の利用で多くの便利を得ている人々は、この二人の学者の名を忘れてはならないのですし、そしてその研究に対して限りなく感謝しなくてはならない筈であると思われます。
電気の現象は、二千年以上も古いギリシャ文明の頃に既に知られていたと言われていますが、それを学問的に研究し始めたのは、やはり十六世紀の末頃で、ちょうどガリレイなどがイタリヤで活躍していた時代なのですから、つまりそこには科学が興るような時勢の動きのあったことが